販売が終了した『やよいの顧客管理』(弥生株式会社)からのデータ移行について説明します。Fullfree に移行すると複数PCで共有したデータを同時編集したり、電話と連動したり(CTIシステム)出来るようになります。
やよいの顧客管理でエクスポート
顧客リストを開いて [ファイル]-[エクスポート] メニューを実行し、「CSV(カンマ区切り)」でデータをエクスポートして下さい。
同様に履歴/予定帳を開いて「販売」や「対応」など、移行したいデータをエクスポートして下さい。
Fullfree のインストール
Fullfree をダウンロードしてパソコンにインストールして下さい。Fullfree は無料です。データの件数が3,000件を超える場合は Fullfree PRO にアップグレードが必要になります。
やよいの顧客管理DBのダウンロード
Fullfree ではまずデータベースを作成します。エクスポートしたCSVやエクセルファイルからでもデータベースは作成出来ますが、やよいの顧客管理用に作成したデータベースがありますのでこちらをダウンロードして下さい。CTIシステムを利用するかしないかでデータベースが分かれています。
現時点ではCTIシステムを使うかどうか分からない場合は「CTIあり」の方がお勧めです。使わなくてもCTIに関するメニューやデータがあるだけで、操作感は「CTIなし」と変わりません。
ダウンロードしたらファイルをダブルクリックして下さい。Fullfree が起動して「DBの開梱」というダイアログが表示されます。OKボタンを押してデータベースを復元し、Fullfree で開いて下さい。
項目の編集(必要な場合)
「やよいの顧客管理DB」は、やよいの顧客管理における基本情報の項目のみがある状態になっています。業種別テンプレートや拡張情報で追加した項目はありません。そのため、拡張情報を使っている場合はその分の項目を追加する必要があります。また、区分で表の種類を追加している場合はテーブル(表)の追加が必要です。
項目(フィールド)の追加
項目、Fullfree の用語ではフィールドを追加するにはテーブル定義を開いて下さい。→ テーブル定義
最低限、フィールド名とデータ型を設定して下さい。やよいの顧客管理で項目名称を変更している場合はフィールド名を変更すると対応出来ます。
やよいの顧客管理での「属性」は下記の「データ型」に対応します。
- 「文字」 → 「短いテキスト」
- 「日付」 → 「日付/時刻」
- 「数字」 → 「数値」
- 「チェック」 → 「短いテキスト」にして値リストに「済」を選択
- 「選択(補助台帳)」 → 「短いテキスト」にして値リストを追加
- 「電話番号」 → 「短いテキスト」にして書式に「電話番号」を選択
- 「E-mail」 → 「短いテキスト」にして書式を「半角統一」、ボタンを「メーラーを起動」
- 「URL」 → 「短いテキスト」にして書式を「半角統一」、ボタンを「ブラウザで開く」
区分(テーブル)の追加
区分、Fullfree の用語ではテーブルを追加するにはテーブル管理からボタンを押して下さい。→ テーブル管理
テーブル定義のポイント
- 表示の代表になるものを「代表」に設定して下さい。例えば「日付」などです。
- 「コード」の項目は不要です。
- 「氏名」はデータ型を「ダイレクトリンク」にして、「1.顧客」テーブルとリンクして下さい。
- 「会社名」はデータ型を「計算/参照」にして、計算式で顧客の会社名を参照して下さい。
以上は「2.販売」テーブルのテーブル定義と同じなので、「2.販売」テーブルのテーブル定義が参考になります。
インポート
やよいの顧客管理からエクスポートしたCSVファイルをインポートして下さい。インポートする順序は顧客リストが最初です。2番目以降はどのデータでも構いません。→ インポート
インポート設定のポイント
- 「1行目はフィールド名(データとしては取り込まない)」をオンにして下さい。
- 販売や対応のインポートでは、コードを「顧客」の下の「1.顧客:コード」に割り当てて下さい。
使い方
使い方の前に画面の説明の「Fullfree での用語」をまず確認して下さい。→ 画面の説明
基本操作
表やカードの表示方法、編集や選択など、基本操作はこちらをご覧下さい。→ 基本操作
文字を大きくするには基本操作の「3.4. 画面拡大率(文字サイズ)」をご覧下さい。
「コード」の扱い
『やよいの顧客管理』では入力必須な「コード」ですが、やよいの顧客管理DBではコードの入力は必須ではありません。「販売」や「対応」のレコードはコードがなくても追加出来ます。
もし、やよいの顧客管理と同じようにコードを入力必須にしたい場合はテーブル定義にて「コード」フィールドの「空白禁止」をオンに設定して下さい。更に、自動入力でオートナンバーを設定すると便利です。
販売/対応のレコード追加手順
販売や対応テーブルにレコードを追加するには下記2種類の手順があります。
(A) 顧客カードを開いて追加
新規客の場合は基本操作で、既存客の場合は検索してから対象の顧客情報をカードで開いて下さい。→ 検索
販売や対応のタブにて、をダブルクリックするとカードで、
をクリックすると表のまま追加出来ます。
(B) 直接追加してから顧客を追加/選択
販売や対応のテーブルからまずレコードを追加して下さい。表でもカードでもどちらでも構いません。
新規客の場合はアイコンをクリックして顧客レコードを追加して下さい。既存客の場合はセルの空白部分をクリックしてドロップダウンリストから顧客を選択して下さい。
ドロップダウンリストでは検索が出来ます。詳細は基本操作の「6. リンクレコードの選択」をご覧下さい。→ 基本操作
「商品」や「担当者」など、ドロップダウンリストの編集
『やよいの顧客管理』の補助台帳は Fullfree では値リストが相当します。「商品」や「担当者」などの項目は値リスト管理で編集出来ます。→ 値リスト管理
宛名ラベルなどの印刷
出力機能で印刷が出来ます。エクセルでテンプレートを作成し、Fullfree に登録して下さい。ラベルの場合は Fullfree に生成機能があります。Fullfree で生成したラベルテンプレートを取り出して編集することも可能です。→ 出力
複数PCでデータの同時編集
データベースを共有スペースに保存すると複数PCでデータを共有し、同時編集が出来るようになります。また、共有スペースに保存されたデータベースは編集する毎に自動でバックアップが行われます。もし、操作ミスでデータを削除した場合など、削除前の状態に戻すことが出来ます。
更に、ログインIDとパスワードを割り振ってデータベースを他の社員が勝手に開けないように保護出来ます。この機能では単に開けるか/開けないかという制限だけでなく、閲覧のみ可能にしたり、テーブル定義を変更禁止にしたりなど、ユーザー毎に利用出来る機能を制限出来ます。
CTIシステム
CTIシステムは電話と連動する機能です。電話着信があると電話番号に対応する顧客情報が自動的に表示されます。電話を取る前にお客さまの情報が分かります。→ CTIシステム
この機能を使うには「やよいの顧客管理DB(CTIあり)」の方をダウンロードして、CTI 導入手順の「3. パソコンとCTI機器の接続」と「4. 接続機器の設定」を行って下さい。→ CTI 導入手順